コーポレートガバナンス協会は、日本におけるコーポレートガバナンスの啓蒙教育と企業の社会貢献活動について広く普及させるために人材育成教育を行う特定非営利活動法人です。

この度、当協会の理事で東京弁護士会会社法副部長の服部秀一弁護士から「コーポレートガバナンス・コード」に関する特別寄稿文を頂き掲載することと致します。

講演録 コーポレートガバナンス・コードの検討 服部秀一

(注1)本講演録は、服部秀一が上場会社(監査役会設置会社)の役員研修会で講演した内容の反訳を、加筆した上で整理したものです。その文責は服部秀一にあります。特定非営利活動法人コーポレートガバナンス協会の見解ではありません。

目 次

1 有価証券上場規程等の改正

改正された東京証券取引所有価証券上場規程419条、436条の3、445条の3(注2)(注3)の平成27年6月1日の施行により、上場会社はコーポレートガバナンス・コードの趣旨、精神を尊重すべきとされ、3月決算期末6月定時株主総会の上場会社は定時株主総会終了後に従来の「コーポレートガバナンス報告書」の書式によりデータを更新し、さらに平成27年12月までに有価証券上場規程施行規則415条で定めるコーポレートガバナンスに関する事項について記載した「コーポレートガバナンス報告書」を提出する必要があります。なお、コーポレートガバナンス・コードは、有価証券上場規程の別添として付則の後に揚げられました。

12月決算期末3月総会の上場会社では、改訂された新しい様式での「コーポレートガバナンス報告書」の提出期限は平成27年9月末日となります。しかし、3月決算期末の会社での新様式のコーポレートガバナンス報告書が12月末までに提出されますので、手間の関係から12月決算期末の会社も3月総会直後までには、新しい様式のコーポレートガバナンス報告書を提出すると予想しております。

(注2)コーポレートガバナンス報告書でのコンプライ・オア・エクスプレインを規定する東京証券取引所有価証券上場規程436条の3、419条は、金融商品取引法117条1項4号に基づく東京証券取引所業務規程1条の3第4項の委任によるものと思われます(東京証券取引所有価証券上場規程1条1項)

有価証券上場規程の章立てと、419条、436条の3、445条の3の関係は次のとおりです。

第二編 株券

第四章 上場管理

第二節 会社情報の適時開示

419条(コーポレート・ガバナンスに関する報告書)

第四節 企業行動規範

第一款 遵守すべき事項

436条の3(コーポレートガバナンス・コードを実施するか、実施しない場合の理由の説明)

第二款 望まれる事項

445条の3(コーポレートガバナンス・コードの尊重)

第五章 実効性の確保

第二節 改善報告書

第五節 公表

第六節 上場契約違約金

従って、419条のコーポレートガバナンス報告書の提出は、その性格について開示制度と理解されますが、436条の3のコーポレートガバナンス・コードを実施するか、実施しない場合の理由の説明は、上場会社に遵守を求めるもので、後に述べる経済政策に基づく企業行動の誘導の性格を有するものと考えます。

2 経緯 >>

服部 秀一(はっとり しゅういち)

[ 略 歴 ]

  • 1976年 慶應義塾大学法学部法律学科卒業
  • 1984年 弁護士登録(東京弁護士会)
  • 2007年 慶應義塾大学法科大学院講師(金融商品取引法担当)〔現任〕
  • 2012年 東京弁護士会会社法部副部長〔現任〕

[ 主要著書 ]

  • 『一般投資家にもよくわかる金融商品取引法 平成20年改正対応』 (青林書院)
  • 『東京弁護士会会社法部編 ガイドラインシリーズ(共同執筆) 新株主総会ガイドライン〔第2版〕、新取締役会ガイドライン(商事法務)、インサイダー取引規制ガイドライン、監査役・監査役会ガイドライン、利益供与ガイドライン〔改訂版〕、改正商法ガイドライン(商事法務研究会)』 (青林書院)
  • 『経営紛争の上手な対処法』 (共編 民事法研究会)
  • 『株主代表訴訟Q&A』 (平岡高志編 金融財政事情研究会)
  • 『取締役・監査役70のルール』 (平岡高志編 金融財政事情研究会)

[ 著者連絡先 ]

  • 服部総合法律事務所
  • 〒101-0004 東京都千代田区大手町2丁目2番1号 新大手町ビル2階249区
  • 電話 03(6262)1255 ※平成27年7月27日以前は、03(3295)4222
  • URL:http://homepage3.nifty.com/hattori-sougou