戦略なき国家のコーポレートガバナンス 北方領土の憲法問題

 わが国には固有領土なのに実質的には支配権限が及んでいない領域がある。歯舞群島、色丹島、国後島および択捉島のいわゆる「北方四島」である。面積は合計で千葉県ほどもあり周辺の漁業海域を含めると潜在資源量は膨大である。太平洋戦争終結以来旧ソビエト連邦(現ロシア連邦)に実効支配されているのは周知の通りであるが、領土確定問題が未解決のため日本とロシアは未だ戦争を法的に終結させる平和条約を結んでいない。このこと自体は大変不幸なことであり、ある意味ですぐには如何ともしがたい事柄だ。しかしこのような事態に伴う戦後日本国家の対応は、特に旧島民の権利保障という面において大変な瑕疵があり憲法違反の疑いすらある。国家として自己矛盾をはらんだ支離滅裂ともいうべき戦後日本の対応を詳述する。
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野村 隆(のむら・たかし)
1953年兵庫県生まれ。
東京大学法学部卒業後、自治省(現総務省)入省。その後、外務省、国土省、郵政省、千葉県庁、岐阜県庁、熊本県庁、三重県庁などを経験。自治省企画官などを経て、2000年より徳島文理大学教授。大学院で地方財政制度論、組織経営統治論、電子政府論を担当している。
著書に「連邦制究極の地方分権」(ぎょうせい)、「自治体国際化戦略データファイル」(ぎょうせい)など。
コーポレートガバナンス協会副理事長。